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Lycoris-曼珠沙華-

ここは柚浦満月(ユウラマンゲツ)が運営する小説サイトです。                                                        ♂同士の恋愛要素を多々取り扱っております。                                                        興味がない方やこのようなジャンルに嫌悪感を持たれる方は『戻る』あるいは『×』にカーソルを持って行き左クリック連打しましょう。           その他にアニメ・マンガの感想やサンホラを中心に歌詞なども載せています。

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-七夕フェア- ③沖銀



-七夕フェア- 一覧記事


第三弾 沖銀

もうそろそろいい加減七夕なんて言ってられなくなってきましたwwwww

でもご安心を。

大分市内では8月7・8・9日で何故か季節違いの『七夕祭り』が開かれます。

だからまだセーフッッッ!!!←言ってろ

相も変わらずなっげー文章になっちまいました。。。

念のためキャラ崩壊注意報発令しときます。。。

後半甘甘・・・かな・・・?かな・・・?←



大まかな解説。。。

―――今にも雨が降り出しそうな、雲行きの怪しい空を銀時は一人見上げていた。

そこへ沖田が通りかかり、2人が話しているところにとうとう雨が降り出してきてしまった。

場所を変えた二人だったが、何故か銀時は妙に元気がなかった。

すると銀時は、『一年に一度でもいいから、逢いたいと思う人が居るか?』

突然そんなことを聞いてきた。

その突然の問いに、沖田は―――









 
-もしも願いが叶うなら-
 
 
その日は、生憎の空模様だった―――
 
今にも大量の水の玉が零れ堕ちてきそうな、見ているだけで気分が沈んでいく―――
 
それ程に真っ黒な雨雲が、広い空を覆っていた―――
 
長年の経験から空の雨雲がこれから引き起こすであろう雷雨を予想し、次々に商人達が店を畳んでいく中、道端のベンチに腰掛け微動だにもせず、男は唯空を見上げる―――
 
雨雲に対し眼を飛ばすが如く睨みつけるでもなければ、太陽の光が拝めないことに憂えんでいるわけでもなく、唯ぼぉっと、視界に写る黒の塊を眺めているだけ―――
 
 
一陣の激しい風が吹き荒れ、男の銀糸を攫うようになびかせる。
 
それまで、ひたすらに眺めていた黒色の空から、男はようやく目を逸らした。
 
同時に、風に飛ばされてくる塵やゴミから無意識に自分の目を守ろうと、きつく両の目を閉じる。
 
ゆっくり目を開けると、その男―――坂田銀時は深くため息をついた。
 
もう一度空を見上げようと垂れていた頭を持ち上げると、視界の端に見慣れた黒い服装の男が近づいて来ていることに気がついた。
 
 
「・・・?万事屋の旦那ァ・・・何してんですかい?こんなとこに座って。」
 
 
新撰組―――沖田総悟。
 
銀時は視線だけを寄越すと、よぉと一言投げただけだった。
 
 
「早く帰らねぇと、ひと雨きますぜぇ?」
 
 
言いながら隣に腰を下ろす沖田。
 
 
「そうだなぁ・・・そっちはパトロールか?」
 
「ついさっき終わって帰るとこでさぁ。」
 
「そらご苦労なこった。」
 
「旦那はこんなとこで何してたんですかぃ?」
 
「・・・見てたんだよ。」
 
「・・・何を?」
 
「上。」
 
「上って・・・」
 
 
沖田も銀時にならって上を見上げるが、黒い雨雲が広がるだけ。
 
沖田には銀時の言いたいことが理解できずにいた。
 
 
「天の川・・・」
 
「え?」
 
「今夜は見れねぇだろうなと思ってよ。」
 
 
そう言えばと沖田は思い出す。
 
巡回中、店先にちらほらと笹やら短冊やらが飾られていた。
 
 
「七夕・・・ですかぃ?」
 
「神楽達がやれ七夕だ願い事だとうるせーから抜け出してきたんだ。」
 
「なるほど。・・・あ」
 
 
話しているうちに一粒、また一粒と雨音が響いてきた。
 
やがて雨脚は強さを増し、あっという間にそこら中をみずびだしにしてしまった。
 
それなのに、一向にその場を動こうとしない銀時を見かねた沖田が、腰をあげ銀時の腕を引く。
 
 
「旦那・・・場所、移動しやせんかぃ?」
 
「・・・・・ん」
 
 
沖田に腕を引かれ、ようやく腰を上げた銀時。
 
二人は近くにある茶屋の腰掛に座り、沖田は雨粒を溢し続ける黒雲を見上げ呟いた。
 
 
「これじゃぁ、織姫も彦星も逢えやせんねぃ。」
 
 
雨が降って天の川が見えない。
 
それは、織姫と彦星が年に一度の再会を果たせないことを意味している。
 
沖田はそう思っていた。
 
しかし銀時は、そんな沖田の考えをあっさり否定してしまった。
 
 
「んなことねーよ。おめぇ、知らねぇの?」
 
「何をでさぁ。」
 
 
疑問符を浮かべる沖田に、銀時は言葉を続ける。
 
 
「確かに、雨が降った日は天の川が氾濫するらしいが、そんときはカサなんとか言う鳥が来て橋を掛けてくれるんだと・・・だから雲の上ではちゃんと逢えてんだぞ?」
 
「へぇ。なんか意外ですねぃ、旦那が七夕に関してそんなに詳しいなんて・・・」
 
「・・・昔な、俺も沖田君と似たようなこと言ったんだよ。そんとき、俺の恩師が教えてくれたんだ。」
 
「恩師・・・」
 
 
その時一瞬、銀時の纏うものが僅か澱んだ気がした。
 
相変わらず雨が降り続く空を見上げる男の横顔から、沖田は目を逸らすことができなかった。
 
先程から銀時に感じていた、言葉では言い表せない違和感。
 
だがその瞳は、空の雨雲ではなく、もっと先にある何かを見つめている―――確かにそう感じた。
 
なぁ沖田君。急に名前を呼ばれたことで沖田は我に返る。
 
 
「なんですかぃ?」
 
「年に一度でもいいから、逢いたいと思う人が居るか?」
 
 
―――そいつが、どんなに遠く、手の届かない場所にいたとしても―――
 
そう付け加えて、銀時は突然そんな質問を投げかけてきた。
 
つまりは、既にこの世にいない者のことを言っているのだろうか―――
 
その時ふと、いつかの旅商人に聞いた他星の昔話を思い出した。
 
《空を流れる天の川は、彼の世と此の世を隔てるもの。ある若者が、死んでしまった愛する者との再会を果たすために彼の世へと赴いたが、天がそれを許す筈もなく、二人が手を取り合おうとした瞬間に一本の大きな川が彼の世を分かち、二人は再び離れ離れになってしまった。ところが、川岸で絶えず悲しみにくれる若者達を憐れに思った天上の神は、一年に一度だけ川に舟を渡らせ二人の再会を許したという―――》
 
話を聞いた時は、胡散臭い、くだらない話だと鼻で笑い飛ばしていた。
 
だが今は―――
 
同時に、姉であるミツバとの思い出が思い起こされ、胸が締め付けられた。
 
ミツバは、幸せだった―――そう言ってくれた。
 
だが、もしまた逢うことが、そんなことがもし本当に許されるのなら―――
 
 
「・・・一人だけ、居まさぁ」
 
 
気付けば言葉にしていた。
 
 
「俺もだ。」
 
 
銀時も続けて答える。
 
先程言っていた、恩師のことだろうか―――
 
聞きたがったが、言葉が出てこなかった。
 
その男の横顔が、何も聞いてほしくなさそうだったから―――
 
今目の前にいる男を、俺は知らない―――
 
言い知れぬ焦燥感に駆られた。
 
何か言葉をかけるべきなのに、その言葉がどうしても見つからないもどかしさ。
 
どんな綺麗事を並べても、目の前の男に届く言葉が存在しないことを無意識にわかっていたからだ。
 
 
言葉を伝えることは出来ない―――
 
でも、想いなら―――
 
 
沖田の手は男の顔を引き寄せると、静かに口付けを贈った。
 
唇が離れると、驚きで無意識に引こうとする男の体を両の腕で優しく抱き込んだ。
 
 
「おき・・た・・・」
 
「旦那。」
 
 
沖田の唇が男の耳元で静かに紡がれる。
 
 
「旦那、好きでさぁ。俺はアンタを愛している。」
 
「ッッ!!?」
 
 
―――好きですよ銀時。アナタのことを心から愛しています。

                       アナタは、必ず私が守りますからね―――
 
 
「俺は、今のような弱々しいアンタを見たくなんかッ・・・」
 
 
必死に想いを伝える沖田。
 
抱きしめる男の体が僅かに震えた気がした。
 
目を見て話そうと体を離したが、沖田は続く言葉を失った。
 
男の―――銀時の顔は、とても悲しそうな、泣くのを必死に堪えているような表情を浮かべていたのだ。
 
 
「ごめん。ごめんな沖田君・・・」
 
「なんで、謝るんでさぁ。」
 
 
そのまま俯いてしまった銀時が小さく口を開いて紡いだのは、謝罪の言葉。
 
今のやり取りに対する返事でないのは、言葉の雰囲気でなんとなく察せられた。
 
だからこそ、なんに対しての謝罪なのか、沖田には理解できなかった。
 
 
「さっきの問い・・・俺は、お前だから聞いたんだ。お前の中にミツバの魂が存在していることを知っていたから、あえて聞いたんだ。」
 
「・・・・・」
 
「お前がミツバのことを思い出して顔を歪めていたのにも気づいていた。それでも、失くした悲しみを誰かと共有したい。そんな気分だったんだ。だがそうじゃなかった。結局は俺の独り善がりで、沖田君を傷付けるだけだった。」
 
「旦那・・・」
 
「こうやって、沖田君に気を遣わせちまうなんてな・・・本当に悪かった・・・」
 
「もうそんなに気に病まねぇでくだせぇ。」
 
 
沖田は見かねて再び銀時を抱きしめた。
 
震えている―――
 
普段の銀時からは到底窺うことのできない姿。
 
この男をここまで弱くしてしまうその恩師というのは、一体どれほどの人物なのだろうか―――
 
チリッと胸が焦げるような感覚を覚えた。
 
もう既に存在していないであろう者に対して僅かでも嫉妬心を感じている浅ましい己に嫌気が差す。
 
だが同時に、この男の心に弱さを作ったその者を少しだけ恨んだ。
 
守らなければ―――
 
そして、この者の悲しみをも埋めてあげられるように、己が強くならなければ―――
 
 
「俺は絶対に、旦那を一人にしない。」
 
 
―――一年に一度なんて待つくらいなら、自ら命を絶ってでも逢いに行く。

                      逢いたくないと言われても、ひたすたに後を追いかける。
 
―――束縛型なんだな。
 
―――独占的なんでさぁ。
 
 
「それだけ、大切だから・・・」
 
 
言いながら抱きしめる腕に力を込める沖田。
 
すると、突然銀時が沖田から体を離した。
 
そのまま銀時の唇は沖田のそれへと重ねられる。
 
 
「旦那・・・」
 
「ありがとな。」
 
 
唇が離れると、銀時が柔らかな笑みを浮かべている。
 
そこに、先程までの影は一切なく、銀の髪と深紅の瞳が綺麗な輝きを放っていた。
 
言葉のあやではない。
 
いつの間にか雨脚は遠のき、雲間から日の光が差していた。
 
 
「どうやら、天の川は見られそうだな。」
 
「そうですねぃ。」
 
 
長く落ち着かせていた腰を上げると、思いきり伸びをして銀時は沖田に言った。
 
 
「星、見に行くか?」
 
「今夜ですかぃ?」
 
「あぁ、いい場所知ってんだ。なんだったら他の奴らも呼んでいいぞ?」
 
「旦那、冗談はよしてくだせぇ。せっかく旦那と二人きりになれるってときに自ら邪魔者を呼ぶバカがいますかぃ?」
 
「ハハ、だったら俺も神楽達を呼ぶわけにはいかなくなったな。」
 
「当然でさぁ。さっきのは旦那からのデートのお誘いとしか捉えてやせんぜ?」
 
「否定はしねぇよ。じゃあ今夜9時、またこの場所に来いよ。じゃあな。」
 
 
言い終えると、銀時は万事屋への道を帰っていく。
 
沖田は日の光を受ける銀時の背を見えなくなるまで見つめていた。
 
 
今、自らも光を放ちその光で周囲をも照らす―――
 
その光に魅せられた者達があの男のもとに集まる―――
 
そんな言い知れぬ輝きを持つ半面、あの男の抱く過去の闇はどれほど深いのだろうか―――
 
あの輝きを、失いなくない―――
 
 
銀時が向かった方向とは逆の道へと歩みを進め帰路を目指す。
 
ひたすらに前だけを見つめ、愛しい者を守りたいという気持ちを、沖田は一層強く胸に抱いていた。
 
 
 
嗚呼どうか―――
 
      もしも願いが叶うのなら―――
 
            愛しいあの人に、永遠の幸せと安らぎの光を―――
 


---------------------------------------


お疲れさまでした。

相変わらず馬鹿みたいに長い文章をここまで読んでいただき光栄の極みでございます。。。


そして、ことごとく本来の七夕の伝統無視ってさーせん。。。m(__)m

《》内の他星の昔話は見事に柚浦の捏造でございますのでくれぐれも騙されないでください。←

ただ、柚浦の捏造とは言え、あの昔話を呼んで土方と銀時、あるいはご自分の好きなキャラで妄想された方は勝ち組でございます。←

ワタクシ、あの話の中に一言でも「男女」を連想させる単語は使っておりません。

柚浦はミカゲとテイトの二人で考えながらあの昔話を作りました・・・

考えてると(妄想してると)涙出てきます。。。←病


今回のお話。ギャグ皆無でございますwww

キャラも崩壊注意報ビシビシ発しております・・・orz

『甘く切なく』をメインに、、、したつもりですが、、、´w`;

なにぶん寝ながらカタカタしていたもので、文に不自然な点があってもおかしくない・・・;;;←

勝手に過去持ち出して捏造してるし;;;松陽先生すいまっせん!!!

長いから読みなおしたくないです・・・←タヒ

もっさんは極力短く・・・したいです・・・orz

 

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プロフィール

HN:
柚浦満月
年齢:
34
性別:
女性
誕生日:
1990/05/17
職業:
専門学生
趣味:
PC/お菓子作り/妄想・・・orz
自己紹介:
まとめて記事に記してます。。。

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ズザ楽しみ。。。´ω`*

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